サイクリング編
1 決断
2 ヒッチハイクの極意
3 ポルシェは快適
4 作戦
5 天敵
6 タスマニアへ行こう
7 時間にルーズ
8 タスマニア上陸
9 予定変更
10 車が来ない!
11 別れる
12 飛ぶ
13 Hobart
14 その声は
15 ライバル登場
16 またね
17 炎天下の出来事
18 タスマニア最後の夜
19 いゃっほーっ
20 シドニーへ帰還
21 北へ
22 山崎日本へ帰る
23 グリーンアイランド
24 ケアンズの夜は更けて
25 イナゴ大発生
26 エヤーズロック
27 アリスの風
28
ツアー編

その5  天敵


わたしをアデレードまで乗せて行ってくれるトラックの主は最近イギリスから移住してきたという30歳そこそこの若いお兄さんだった。
そして、その助手席には僕が乗り込む前から先客がいて、無言で僕を迎えてくれた。
かなり人見知りをするタイプのようで、僕がトラックに乗り込む時には運転席のお兄さんの懐に入って睨み付けるような視線を僕に向かって送ってくれた。
そう、この子はこのお兄さんの子供である。
年齢は見たところ10歳未満のようだが、かなりシャイである。
・・・・・いや、シャイの振りをしていたと言い直そう・・・・・・・。
一時間もすれば馴れ馴れしく僕にちょっかいを掛けてくる。
もう一時間後にはかなり悪戯をして僕を困らせる。
イエローモンキーの僕という存在がこの少年にはたまらない悪ふざけのターゲットになっているようだ。
どこかで頭をゴツンと殴ってやりたい衝動に駆られていたのだが、父親の世話になっている弱い立場故それも出来ない。
父親であるお兄さんは子供のそういったところが慣れっこになっているようで、別にお咎めもしないし、別段普通に構えていたので、余計にこの子供はいよいよ図に乗ってくる。
Euclaに着き、食事休憩を取った。
流石に車だと早い。早朝にCooigerdieを発ったのだが、夕方にはEuclaに着いている。
この画面の真ん中あたりに写っているのが、この悪戯坊主です。
車の中で散々僕の頭の上に乗ったり、飛び膝蹴りをしてくれたガキです・・。
まさかここへきて、たとたどしい英語で説教をするとは夢にも思わなかったなぁ・・・。
「どうしてお前は静かにしていられないのだ!?お前はイギリスで生まれた優秀な民族だぞ。イギリス人は誇り高いゼントルマンで無いといけないんだ。お前なんかイギリス人の面汚しだ。
みたいなことを言ったと思うが、言ったところで何がどうなったかというと、何もどうもならなかったわけで・・・・・・・・。
アデレードまで僕の頭の上に乗って髪の毛を掴んだり、引っ張ったりホッペタを抓られたりしたわけで・・・・・・・。
こんな車に乗らなきゃ良かったと思ったわけです。
でも、無事アデレードには着きました。

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