その23 Halls Gap_2
何度も言うようだが、我々にはオーストラリアそのものの情報すら得る手段が無かったので、小さな町や地域についての情報などは皆無であったため、Hall`s
Gapにこんなものが存在するとは、この目でみても信じられなかった。
ガソリンスタンドのおっちゃんたちと別れたのが夕方の5時過ぎ。
軽く食事を取ったのち、「もう疲れたから寝るわ」と言う山崎に「僕はちょっとぐるっと回ってくる」と言い残して、気になるポイントへと足を運んだ。
MAP参照
Pinuncle Lookoutである。
Lake Bellfieldが一望に見渡せるという眺望地点へは車では上がれないとさっき別れたガソリンスタンドのおじさんがいったのが気になってどうしてもそこへ行ってみたくなった。もう二度とこの地へは来れないだろうから、見逃して後で「しまった」と思うのがいやなのだ。

頂へ向かったのはいいが、現在の時刻はすでに夕刻6時を回っている。
はたして何分くらいで登ることが出来るのであろうか。
登ることが出来ても日没までに降りてこれるのか。
もし、途中で日没になってしまうと電気の無いこの地で無事帰り着くことが出来るのであろうか。
ちょうど食事を終えたばかりの二人連れの女性がいたので、情報を集める。
このとき、自分でも驚いたのだが、不思議なことにわたしは英語で話していたのである。
女性たちも口をそろえて「英語が上手だけど、どこで習ったの?」なんてことでおだててくれる。
そのおだてが理解できるほどに上達したのは確かだ。
一応の情報収集が終わり、決意する。
「よし、登ってこよう。」と。
登り1時間、下り45分、8時前には降りてこれる勘定だ。
昨日の日没が9時前くらいだったので、日没にはよほどのことが無い限り間に合う。
歩き出して約40分。
頂が見えてこようという場所にそれはあった。

まさに「奇岩」である。
エヤーズロックが奇岩と呼ばれているが、あれはただ単に大きいだけで奇岩ではない。
これこそが正に奇岩である。
引力に逆らって小さな岩の上にちょこっと乗っかっているのはどう見ても不思議だ。
そのうえ、その岩の真下に腰掛けよろしくおあつらえ向きに切り株があって、そこに腰掛けてオートシャッターで写真を撮ってみた。
日暮れが近づいていたので写りは悪いが、確認していただけるでしょうか?。
日本でこんな岩があったらきっとこの周りにはみやげ物屋が建ち並ぶだろうな・・・。
きっと奇岩饅頭なんかが出来るんだろうな・・・・。
奇岩ヨウカンも出来るんだろうな・・・・・・・。
奇岩弁当・・・・・。
・・・・・・・・・妄想に耽っているうちに頂上へ着いた。

想像したとおりの絶景だった。
サイクリングの疲れや、ここまで駆け上がってきた疲れがこの瞬間に吹っ飛んだ。
まさに絶景。
この景色、この瞬間は僕の貸切で独り占めできる景色なんだと誇らしく思った。
この写真を見せたら山崎は悔しがるだろうなと思いながらも、独り占めしていることに後ろめたさは無かった。
出来ることならもうしばらくこの景色を眺めていたかったのだがしかし、日没の時刻は刻一刻と迫っている。
下山してYHへたどり着いたのは9時を回っていたが、まだ日は残っていた。
今にして思えば、我々の時計はシドニー到着直前に船の上で時計を合わせるように指示があって以来で、ずっとシドニー時刻に合わせたまま。
オーストラリアにおいては地域で4回時差が変わるということなので、本当に9時だったかというと全然自信が無い。
この日の日没は10時を回っていた。
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