その28 偉大なるMurrey Bridge

Tailembendを越えたあたりから向かい風がひどく、時速に直すと5キロぐらいしか自転車が動いてくれない。
歩いたほうがずっとましな速度だ。
自転車の敵は上り坂と向かい風。
オーストラリア上陸後、シドニーを出るときに少し上り坂を経験しただけで、あとは大した坂道には出会っていないし、風もそんなに苦になるほどの風は経験が無かったので、今回の向かい風は余計に堪える。
昨夜はどうせ町が無いのでいけるところまで行こうということで、かなりの距離を稼いだおかげで、どうにかMurrey Bridgeには到達できた。
町の外れにあるキャラバンパークにテントを張るべく、入り口の管理人のところに行くと、「おぉ、今日は日本人がよく来る日だ」と驚いたように言う。
管理人の案内でその日本人のいるテントに行く。
ちゃっかり管理人、新聞社にも連絡を入れていた。

このままの写真が翌日の新聞に出たのだが、見出しには「偉大なるマリーブリッジが二組の日本人冒険家を招いた」とあった。
彼の名前は水野君。
日本では家庭教師などをやっていたそうだが、おんぼろ車をシドニーで購入後ラウンドしているのだそうな。
こんなおんぼろでよくやるよなぁ・・と言ったら、自転車でよくやるよな・・と返された。
どのくらいオンボロかというと、車にウインカーが付いていない。
替わりに手を横に上げるような形で赤い棒状のものがカシャッと上がるのが付いている。
運転手側のドアしか開かない。
無論クーラーなんてのは元々存在しない。
こんなのでよく・・・・・。いや、我々の自転車にもクーラーは元々付いてないし、ドアもない・・・・・・・。
おまけにエンジンも付いていないのだ・・・・。
お互い頑張っている者同士の会話は弾む。
おまけに本当に久しぶりに日本人に会えた喜びで一杯だった。
一晩中いろんなエピソードに花が咲き、語りつくすことは無かった。
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