その32 Eyre Highway
アデレードを立つ。
Eyre Highway に入るとそれまでの景色と一変して土の色が赤く、高い木も見当たらなくなる。
これこそがオーストラリアを象徴する景色だと今は思っている。
また、町と町の間隔が50キロ以上に開き、食料や水の補給を忘れないようにしないとひどい目にあう。
季節はというと真夏に入っている。
まさに砂漠を横断するには最悪の条件が揃っているが、準備は整っている・・・・・・はずだ。
きっと・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・あまり自信は無い。
どうしてかというと、日中があまりに暑いので、昼に寝て夜走ろうということで、一度トライしてみたのだが、危なくて走れないという結論に達した。
夜に走る車は前方をきっちり見ているのかというほど、自転車の脇を猛スピードですれ違っていく。
そりゃそうだろうな、街灯も無ければ水銀灯も無い状態で時速150キロ程度のスピードで走り、頼りはヘッドライトのみ。
そのうえ、大抵の運転席にはウイスキーのビンが転がっている。
これじゃあ前方にカンガルーが居ようがエミューが居ようが気が付いた時にはすでに手遅れ状態で、跳ねてしまうのは仕方が無いことかもしれない。
そんな状態で夜に自転車で走るのはまさに自殺に等しいのだ。
アデレードの次の目的地、ポートワークフィールド。
テントの中で飴を舐めていた時である。
山崎の差し歯が外れてしまった。
「わ・・・。最悪や・・・日本に帰ろう」
山崎は何か事があると日本に帰りたがる・・・・・・・。
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