その33 ビールの看板
Eyre Highway に入ってからはまるで熱帯の気候が続く。
木陰に入れば涼しいオーストラリアの気候だが、このあたりは見渡しても木陰なんかありゃしない。
お陰で二人の不快指数はうなぎのぼりで、お互いに口を開けば険悪な状態になるので互いに口を利く事を避けている。
今日の目的地はPortPirieだ。
うだる暑さの中、延々と続く道の横に大きなビールの看板だけが目に飛び込んでくる。
山崎はとにかく酒に目が無い奴で、ジョッキから零れ落ちる泡が描かれたその看板の下の「あと20マイル」という表示を頼りに頑張っている。
「あと15マイル」、「あと10マイル」
全然休憩も取らずビールに向かって突進している。
ほりけんは下戸のため、ビールのうまさは知らないので、適当に休憩を取りながら、写真を撮り〜の、ションベンをし〜の、汗を拭き〜のとマイペース。
そこで、その看板の店にほりけんがたどり着いたころには山崎はすでに缶ビール3本は空にしている状態である。
下戸の人のために情報。
わたしがここオーストラリアで見つけたとってもおいしいジュースを紹介する。
その名は「パシオナ」。
パッションフルーツを主体にした炭酸飲料だが、こいつがすこぶる美味い。
もしかしたらSAにしか無いのかもしれないが、そのあたりの情報が欲しいものだ。
NSWやVICでは見かけなかったというより、そのあたりではコカコーラしか目に入らなかったからだ。
コカコーラは日本で飲んでいるので味についての信頼性があった。だからそれまでは他のジュースには手を出さなかったというほうが正解かもしれない。
ところが、この「パシオナ」だけは僕の予想を遥かに裏切ってくれた。
そもそもパッションフルーツなるものの存在を知らなかったので、無理もないが、現在ならば何らかのトロピカルジュースの中に隠し味程度に入っていることが有る。、味はトロピカルそのものである。
トロピカル100%のジュースといっておこう。
立て続けに5本の「パシオナ」を浴びるように飲んで、生き返る。
そのころ山崎は5本のビールを飲んでご機嫌だ。
PortPirieまであとわずか。
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