その38 Ceduna
Cedunaへ着いた。

PoatAugustaを出てからやっと町らしいところに来た。
ここにはキャラバンパークもあるし、食料をたっぷり仕入れるところもありそうだ。
ここには最低3泊して、これから始まるNullarbor Plainと呼ばれる魔の砂漠地帯横断の準備をしなければならない。
道路地図で確認しても町らしい町はこの先見当たらないのだ。
ここ4.5日体験したことをこの先約2週間繰り返さないといけないと思うと少しの充電は必要だと思った。
クリスマス直前ということもあり、町は幾分活気付いている。
キャラバンパークでテントを張っているとすぐ隣に止めてあったキャラバンから二人の男性が降りてきて、話しかけてきた。

彼らは人懐っこい笑みを浮かべながらブルースとディビッドと名乗った。
シドニーから来て、二人でキャラバンを使いオーストラリア全土をラウンドしているという。
これから、我々とは逆のコースでシドニーへと帰る所だそうな。
彼らのウィットに富んだジョークや子供っぽい仕草がここまでの苦難を忘れさせてくれた。
その夜は彼らと一緒にバーベキューパーティーをした。
聞くと、彼らはシドニーに帰ってから二人で新しい会社を作るのだという。
この息の合った二人が作る会社ならきっとうまくいくだろう。
我々は彼らを「ブー」と「ダー」と呼ぶことにした。
人と交わることがこんなに素晴らしいことだとは今まで考えもしなかったことだ。
ここへきて、精神的にも体力的にも追い詰められて初めて気が付いたことなのだ。
山崎と二人っきりでここまで来たのだが、お互いがお互いに甘え、まるで相手のことを自分の分身であるかのような錯覚に陥り、何も語らずとも分かり合っているゆえに相手に頼る。
山崎は確かに僕に無いものを持っているし、僕にも彼にないものを持ち合わせているのだ。
反面、同じようにそれぞれの短所もあるのだが、その短所を飲み込んでやれる余裕がこのアデレード以来1週間足らずの時間に見失ってしまっていたのだ。
我々二人の間の重苦しい空気も、彼らのおかげで解れたことは間違いない。
クリスマスイヴ へ