その40 カニを釣る!?

朝早くからブーとダーに叩き起こされて桟橋に来ている。
クラブを釣るから準備しなさいと言われたのだが、クラブの意味がカニを指すクラブだとどうしてもピンと来なくてとりあえず釣竿を持って出かけた。
日本を出るとき、兄が持って行けと餞別でくれた釣竿だ。
まさかこんなところで使うとは思わなかったが、全然使う機会が無かったので、ちょっと嬉しい。
ブーが手本を示すので同じようにやりなさいといってカニ釣りを始めた。
釣り針の先に餌として付けるのはイカ素麺程度に切った生のイカである。
あぁ、食ったらうまいだろうな・・・。
カニより僕が先に釣れそうだ・・・・・・。
針を落としてすぐに当たりがある。
「おぉ!」僕たちはその光景に驚いた。
ブーの投じた竿の先には確かにカニが掛かっているのだ。
掛かっているというのは間違いで、カニがイカをハサミでしっかりと掴んでいるのだ。
水面ギリギリまでゆっくり引き上げて、一気に海から引っこ抜く形で竿を上げる。
カニは水面から出たとたん自分の置かれた立場にようやく気が付いて慌てて離す。が、時すでに遅く、空中高く放り出された後だから慣性の法則で、釣り人の後方へ飛んでいく。
うーむ・・・・・こんな釣りかたがあるんだ・・・・・。
餌のイカはまだ健在であるから返す刀で、また糸を海の中へ投じる。
またすぐにカニが掛かる。
こりゃ面白い。僕も挑戦してみるが、面白いように掛かってくれる。
結局30分も経たない間に丁度20匹釣れてしまった。
「さあ、引き上げよう」
ブーは初めから20匹釣れたら止めるつもりでいたようだ。
自分が食べる分だけ釣るというのは当たり前のことなのだが、僕たちにすればこれだけ面白いように釣れるのだから釣れなくなるまで続けたいと思ってしまう。
悲しい性です・・・・・・・。
取れたカニを持ってキャラバンパークへと戻ってくると、どこから調達してきたのかドラム缶が一個、水を張って用意してあった。
ブーとダーは昨日のうちから準備していたようだ。
火を起こし、カニを全部その中に放りこむ。
適当に茹で上げたカニを引き上げ、足をもぎ取り、腹身だけを取り出す。
足はゴミ箱へポイポイ捨てていく。
捨てられた足を僕らが取り出し、拾い集めてビニールの袋に入れる・・・・・・・・。
だって勿体無いんだもの。
しかし、腹身だけでも一人5匹分ともなれば満腹になってしまい、再び足をゴミ箱に戻す。日中のこの気温だとすぐに腐ってしまうので仕方がない・・・・・。
悲しい性です・・・・・・・・・・・。
午後になって、明日から始まる砂漠横断の為の準備をする。
ブーとダーには経験からのアドバイスを受けることが出来たので凄く助かった。
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