その50 パースの休日
パースのユースホステルで朝を迎えた。
ここは流石に大勢の旅行者がいて、予約なしに泊れたのはラッキーだと思う。
朝食後、高校の教師に紹介してもらったオージーさんが車で迎えに来てくれた。
どうやらパースの町を案内してくれるらしい。
山崎も僕も昨日の落胆をまだ根に持ってはいたが、好意は好意として受け取ろうと思ったので、車に乗り込んだ。

考えれば勝手に泊めてくれるものだと思い込む方が虫が良すぎるのだが。
今まで道で知り合った人が自分の家に招き入れてくれたという実績が多すぎて、オーストラリアでは、家に泊めてくれるのが当然のように思っていた。
だから日本を出るときから知っている人だから当然客人扱いしてもらえるものだと信じ切っていた僕たちが愚かでした・・・・・。
彼は彼なりにパースを市内案内することで持て成してくれているのだ。
高いビルの上からパースを望む。
きっと現在のパースとは大きく変わっているのだろうな・・・・・。
車で次々と訪れる先の通りがかった電気店のテレビに映し出されたニュースに僕の目は釘付けとなった。
「戦争勃発!!インドとパキスタン」
それまで平和な空気が流れていた町も一瞬、ザワッとしたように思え、次にあちこちで号外が配られ始めた。

皮肉なことにそれは戦没者慰霊碑を訪れた直後で、僕にとってはパースの後に控えている渡航先のインドでの戦争である。
まさに運命のいたずらと言うしかない。
インドからパキスタンを経由するシルクロードの夢はこのとき途絶えた。
ラウンド編へと続く